なんか、むせのーと久しぶりじゃない?といっても2ヶ月くらいか。日記でも半年くらい更新しない人いるし、大丈夫でしょ。ちなみにGrimdawnの新しいビルドを作ったりはしていない。これは今回の話と全然関係ないんだけど Grimdawn の開発元 Crate Entertainment の新作「Farthest Frontier」のアーリーアクセスが始まったので興味がある人はチェックしてみよう。僕はとりあえず買っておいた。Zantai! Grimdawn2を開発してくれ!
今回レビューするのはコーエーテクモゲームスが開発・発売した『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』 ファイアーエムブレムシリーズの最新作『ファイアーエムブレム 風花雪月』のスピンオフである。3ルートクリアで100時間プレイした。
発売前までに与えられた情報から、新キャラのラルヴァは「アガルタの民が信仰する、ソティスとは別の神」だと考えていたけど果たして!物語のネタバレに関しては記事後半に書いていく。
目次
異なる出会いから巻き起こる、もう1つのフォドラの戦乱
今作の主人公は傭兵のシェズ。ベレス(ベレト)が士官学校の教師にならなかった物語が描かれる。本編の続きではなく、平行世界という感じ。ゲームは軍備・進軍・戦闘のパートに分かれて進行する。
軍備パートでは行動力を使って訓練や食事、仲間キャラクターとの交流などを行う。本編の探索パートと似た感じで、前線基地の施設をランクアップさせると行動力が増える。
本編の「お茶会」に値する「遠乗り」は、お気持ちクイズが難しく感じた。釣りはない。
進軍パートはいわゆるクエスト選択。今作ではカレンダー制ではなく、道中の地域を制圧していく形でメインクエストが進行する。フォドラの地図上を直接進軍し、様々な場所が戦場となるのは想像力が働いて良い点だった。
メインクエストでは制圧した地域の数に応じて計略を使うことができるようになる。計略要素ここかー。敵将を説得して仲間に引き入れるのが主な用途。敵に包囲されている友軍が奮起して包囲を打ち破るのは作戦ではなくね?(画像)
敵将が出現した瞬間、反射的にAボタン(無双奥義)を押し、説得できるキャラを殺してしまうこともたまにあった。やり直すの面倒なのでそのまま進めた。どうせ何周かするし。
戦闘パートは無双。自分で操作するだけでなく、仲間キャラクターへ指示を出すことも可能。NPCはかなり有能で、指示を出せば砦の制圧だけでなく、宝箱を開けたりスイッチの操作もしてくれる。プレイヤーは草刈りに忙しいので、これらの雑用はNPCにやってもらうと効率が良い。
指示には武器相性が重要。おなじみの剣→斧→槍→剣だけでなく、拳→本→弓→拳という新しい3すくみも登場している。FGOか?騎馬や重装などへの特攻、風や火などの属性も存在する。相性を意識して指示を出すことで有利に戦闘を進められる。
無双として非常に出来が良い
機動力の高い主人公が使っていて気持ちよく、ステージに合わせて編成を考え、適切に指示を出して攻略していくのも難しすぎず程よい達成感を得られる。育成要素も充実していて、操作キャラやNPCに持たせる武器を厳選・強化するのも楽しい。本編で登場した英雄の遺産もコストを気にせず振り回せる。結局3周とも主人公ばかり動かしていたので、DLCがきたタイミングとかで色々なキャラを使ってみたい。
前作はキャラクターによって武器が固定だったため、剣キャラがやたら多いという問題点があったが、兵種を自由に変更できるようになって解決したのもポイント。あと前作は敵将がほとんど味方のプレイアブルキャラだったので剣vs剣になりがちだった。なんだそれ。今作はそれぞれの兵種にモブ将みたいなのがいるので戦う相手にも困らない!ていうか本当に敵のバリエーション増えてて偉い。
周回プレイが非常に快適。本編引き継ぎはポイント制だったが、今作ではあらゆる成長要素を引き継ぐ。他ルートで加入したキャラもフリー戦闘で使用可能、更におまけで特別なプレイアブルキャラクターも使うことができるようになる。難易度で敵のレベルが変化し、周回で追加されるルナティックは100以上にもなる。敵のレベルが上がると報酬も豪華になり、やりごたえがある。
2周目でルナを選び、指示を出したNPCが返り討ちにされておかしいな?と思ったら敵のレベルが100を超えていた。別ルートで新しく仲間になったキャラクターで勝てるわけなくて泣いた。
無双のソティス様は邪神ムーブでイキイキとしていて可愛い。
意外性のある物語だが、盛り上がらない結末(ネタバレ)
本作ではベレス(ベレト)は士官学校の教師とならず、シェズが士官学校に入学し、本編では殺害されクロニエにとって変わられたはずのモニカが救出される。体験版の時点でかなり本編と異なっていて驚いた。そして、数ヶ月で学生編が終わり、2年後に戦争編が始まる。生徒たちもそれぞれ学生時代とも5年後とも違う姿にマイナーチェンジされており、特にディミトリは健やかすぎる。先生関わらない方が良かったんじゃないか、ディミトリの人生を壊したのはベレトスなどと話題に。
親世代など、本編ではあまり交流がなかったキャラとコミュニケーションがとれるのも特徴か。本編で名前だけ出ていたキャラクターを使えて支援会話を見ることができるのは非常に良かった。ちなみに主人公のシェズはボイス付きでよく喋る。ベレトスもこっちでは喋る。
物語が選択肢ではなく戦闘中の行動によって分岐するのも面白かった……が、ちょっと条件が難しすぎる気がした。3周目でようやく灰色の悪魔が生存し、ラルヴァの秘密へと迫るルートに進むことができた。
ラルヴァの正体はアガルタの民の一人「エピメニデス」 タレスの同僚といったところだろう。シェズに関しては専用兵種の取得スキルに「造られしもの」があることから、ベレトスあるいはシトリーみたいな存在だと示唆されている。エピメニデスの能力は転移っぽいけど、アガ民はみんな気軽に転移してるので闇魔法の一部のような印象を受ける。
エピメニデスを倒したあとは各ルートに戻り、赤はレア+タレス、青はエーデルガルト+タレス、黄は白きものと戦ってエンディングとなる。どのルートでもシャンバラには行かず、雑にタレスが出てくる。本編をプレイしていると途中までは意外性があって面白いが、結末が盛り上がりに欠けると感じた。後日談カップリングもない。主人公が一切興味ないためか、紋章や教会の仕組みに触れることもなかった。あと、無双でネメシス+十傑と戦うのを楽しみにしてたんだけどな~DLCでもいいから来てくれ!
余談だけど、ラルヴァ討滅ルートの勝利条件を見て、某MMOの攻城戦で「りっか殺せ!」とかオープンチャットで飛び交っていた頃のことを思い出していた。(このくだりめっちゃ好きで曲にして同人CDに収録した)
問題点
プレイアブルキャラクターが増えているのは喜ばしいが、本編で仲間になったアロイス・ギルベルト・ハンネマン・ツィリルがなぜか使えない。マヌエラは仲間になるのに。グラップラーハンネマンで無双することを楽しみに周回していた僕の気持ちはどうなってしまうんだ。
まあそれだけならおっさん(と愛想の悪いガキ)がリストラされただけなので、さもありなんという気持ちもなくはないのだが(新たに仲間になるキャラもモニカ以外おっさんだけど)リストラされたキャラがいる上で門番が仲間になるってのがよくなかった気がする。確かに門番はNPCとしては愛されてるキャラだったけど、本編のプレイアブルを差し置いてまで出すキャラか?
考察
本作『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』のストーリーは、本編では死亡していたモニカ=フォン=オックスの夢小説だと考えられる。どのルートでも生存し、本編と歴史が大きく変わっていくターニングポイントとなるからである。マクイルの紋章だけでなく、高い記憶力も特筆されるほどの能力とされており、主人公として申し分ないポテンシャルを持っている。
なお、青ルートはフェリクスが夢主ではないか?という考察もある。じゃあ黄色は誰?しらんがな
総評:無双ファンにもオススメの傑作
風花雪月のファンはもちろん、無双好きにもオススメできる完成度だった。でも無双から入った人はストーリーがよくわからんかも、本編もプレイして。