日本一ソフトウェアの『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』は大傑作DRPGだった

 『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』は日本一ソフトウェアより発売されたダンジョンRPG
 NISAダンジョンRPGバンドルで購入したゲーム最後の1本!プレイ済の3本も相当面白かったが、ルフランはそれを上回る面白さの大傑作DRPGだった。ストーリークリア=実績コンプで85時間、ストーリーもダンジョンも非常に密度が高く、最後まで体験の質が落ちなかった。

ゲーム概要

 魔女ドロニアと弟子のルカは地下迷宮の攻略のため、ルフラン市を訪れる。プレイヤーは意志を持った本「妖路歴程」となり、人形兵たちを指揮しダンジョンを探索することに。最大40人にもなる大人数のパーティや、ダンジョンの壁を任意に破壊できるなど型破りなシステムが特徴で、キャラクターの絵柄も可愛い(重要)。育成要素やダンジョン探索も骨太でボリュームがあり、DRPGとしての出来自体が非常に良い。BGMも奇怪で素晴らしかった、サントラも購入した。

ストーリーが予想外に面白かった

 ダンジョン探索の進捗を「魔女報告」するとストーリーが進む。一気に探索して複数のストーリーを連続で見ることもできるが、たまにダンジョンの進行に報告が必要になる場合もある。
 ダンジョン内は異世界になっており、そちらでも様々な出会いやストーリーが発生する。一方で、魔女報告のストーリーはルフラン市内中心に繰り広げられ、関係はあったりなかったりだ。

 夜になると穢れ人が徘徊するルフラン市の謎、3つ集めると願いが叶うという鍵が隠された地下迷宮、願いを叶えようとする魔女ドロニアの過去、そして鍵を狙う他の魔女との駆け引き。序盤はルフラン市の住民との他愛のない会話が中心だが(かなりボリュームがあってフルボイスなのは驚いた)、中盤以降はかなり緊張感があり、物語に引き込まれていく。

 ストーリー上にショッキングな表現が少なくないので、耐性がない人は注意が必要かもしれない。このエグさも世界観の一つだということかな?

ダンジョン内は様々な異世界

 ルフランの地下迷宮は様々な異世界が「小部屋」で繋がっている。小人の国アストルム、逆に全てが巨大で虫などと戦うフェーヌム、3つの塔で苦労も3倍のウンブラなど、見た目に変化があるのはもちろん、ギミックやダンジョン構造の傾向も変わってきて面白い。

壁壊しでフレキシブルな探索

 探索中、特定のコストを消費して壁を破壊することができる。ショートカットを開通したり、マップを見て不自然な空洞を調べたり、探索の幅を広げてくれる。最初の頃、壁を破壊した先に通路がなくて歩いたら落ちてびっくりした(当たり前)。

最大40人のパーティ

 このゲームのパーティは5つのカヴンに最大3人のバトルメンバーと5人のサブメンバーを編成できる。「最大」と書いたように、最初から40人PTを組む必要はないので安心してほしい。
 「カヴン」は小隊みたいなまとまりのことを指し、バトルコマンドもカヴン単位で入力する。カヴンには様々な特徴を持った「結魂書」を設定し、結魂書のスロットにユニットを登録する。結魂書ごとにキャラの配置スロット数、使えるドナム(アクティブスキル)、ステータスや入手経験値の倍率などが異なる。配置したアタッカーが敵に狙われやすくなるなど、特定のファセット(職業)向きのものも存在する。
 序盤は配置スロットが1つだったりシンプルな結魂書しか手に入らないが、探索が進むにつれて徐々に配置人数の多い結魂書などが手に入り編成を拡張できるようになっていく。プレイヤーの慣れにシステムが追従してくれる素晴らしいデザインだ。

エロス溢れる結魂書

 例えば、これは配置したキャラクターのERS(エロス)値によって能力が上がる「エロス溢れる結魂書」(おっぱいテロルって何?)こんな感じで個性的な結魂書が豊富に登場する。エロス溢れる~はネタのようでかなり強かったんだけどおっぱいテロルって何?

ファセット(職業)と戦闘の特徴

 アステルナイト(ファイター)、マージナルメイズ(ウィザード)、ピアフォートレス(ナイト)など、DRPGで見覚えのある基本的な初期ファセットが6種類と、ちょっと癖のある追加ファセットが2種類ある。といっても、戦闘のシステムがちょっと違うので役割も違う。
 このゲームのアクティブスペル・スキルは結魂書依存の「ドナム」に統一されており、カヴン単位で発動する。ドナムの威力はステータスのDMPとマージナルメイズのパッシブスキルが影響するので、物理技っぽいドナムでもマージナルメイズが使うと威力が高くなる。回復ドナムは全て割合回復であり、誰が使っても同じ。そのためか、ヒーラーのファセットも存在しない。
 では他のファセットは何ができるのかというと、殴る(ピアフォートレスは防御する)のである。殴るだけといって甘く見てはいけない、ドナムは3人カヴンでも1回発動(DMPは平均値を参照)だが、通常攻撃はカヴンの人数分殴るのだ。強力なゴアクリティカルを狙ったり、状態異常武器で殴ったり、手数を増やして殴るのはシンプルに強い。
 ちなみにゴアクリティカルというのは部位欠損を伴ったクリティカルで、割合ダメージを与えた上で敵の能力を下げる。味方も喰らうことがあり、欠損は拠点に帰らないと修復できない。

育成・トレハンも充実

 「魂移し」をすることで、人形兵をレベル1から育て直すことができる。いわゆる転職である。
 魂移しを行うレベルに応じてアニマクラリティが加算され、スキルを継承できる。行動速度が上がるスキルやクリティカルが出やすくなるスキル、ドナムの威力が上がるスキルなど、ファセットを渡り歩いて理想のスキル構成にするのが育成の目標。アニマクラリティは高いほどステータスが高くなる(最大で300%くらいになるらしい)ので、魂移しを繰り返すほど強くなる。
 やりこみがいがあり、面白いシステムなのだが難点もある。最大40人の魂移しを何度もするのが面倒なのと、ファセットを渡り歩いているうちに何をさせたいキャラなのか忘れそうになることである。最初から名前とかに最終目標をメモっておかないと流石に40人分も覚えていられない。

 宝箱やドロップで手に入る装備にはレアリティがあり、「二つ名」が付与されていることもある。レアリティは単純に高いほど性能が高く、二つ名は名称によって性能に変化が起きる。
 ドロップして余った装備品に使い道があるところも良かった。錬金によって素材となる装備を消費して、1度だけ装備を強化できる。素材には強化済みの装備品も選べるので、低レアの装備を強化でまとめてから高レアの装備の素材にするなんてことも可能。
 トレハンもかなり面白かったのだが、実は本格的にドロップ厳選できるようになったのが終盤に入ってからだった。アイテムドロップ率の上がる結魂書を利用しないと装備品をほとんどドロップしないのである。あと細かいけど装備品のステータスを比較し難いUIもダメだった。

総評:大傑作DRPG

ルカ

 イマイチゲームを連続で発売日に購入してしまい、NISのゲームはしばらく避けていたのだが、完全に信頼を取り戻す大傑作だった。特にストーリーが面白かったので、是非プレイしてドロニアとルカの物語を見届けてほしい。システム面で難があった所は次回作では改善されているのかな?今すぐ続編のガレリアもプレイしたい!そう思うくらい最近では格別な面白さだった。