100円で買った『モン勇』はやや個性的なDRPGだった

 『モンスターを倒して強い剣や鎧を手にしなさい。死んでも諦めずに強くなりなさい。勇者隊が魔王を倒すその日を信じています。(略称:モン勇)』はエクスペリエンスが開発・販売する腕試し・ダンジョンRPGである。非常に長いタイトルとモタさんのキャラクターイラストが特徴。ハードはSwitchのみ。
 記事タイトルの通り、このゲームは色々あって98%オフの100円セールだったことがある。経緯については「モン勇 100円」とかで検索すれば出てくるので、興味がある人だけ調べてもらって。
 27時間ほどでクリア。前記事の『デモンゲイズ2』からガチで続けて遊んだけど、個性があってかなり面白かった。

ゲーム概要

 妖精の国「ティルナバルク」へと招かれた冒険者たちは、7つの秘宝を魔王から取り戻すためダンジョンへ挑む。固定の主人公はおらず、見た目・職業を自由に選んで6人の「勇者隊」を結成する。ダンジョンを探索し、モンスターを倒して装備を更新し、ボスを倒して評価を受けるまでのサイクルを繰り返す。ストーリーはほぼ無。

PT編成・育成

 職業は戦士・騎士・侍・忍者・銃士・モンク・僧侶・魔使のオーソドックスな8種類から前衛3人後衛3人を選んでPTを組む。僕は騎士モンク侍銃士僧侶魔使でプレイした。キャラ作成時のボーナスポイントは前衛は体力に15、後衛は10ポイントふった。後半足りなく感じたので後衛も15まで伸ばした。
 今作のスキルはポイントで取得する。レベルによって取得できるスキルが制限されるが、同じ職業でも使い方に個性が出てくる。ポイントの振り直しがノーコストで何度でもできるため、階層や戦う相手によってビルドを切り替えていける。
 レベルアップは任意で行い、1レベルにつきステータスを1つ上げることができる。また、ボス討伐の評価にも関わるため、下げることもできる。(レベルを下げるメリットは、評価を上げることしかないのだが。)

 キャラクターだけでなく、装備して使っていると武器防具もレベルアップする。ランクの高い装備ほど最終的な能力が高くなるため、新しい装備が出るたびにレベルの上げ直しとなる。これは賛否ありそうな要素だが、個人的には新しい装備を育て直すのは楽しかった。

戦闘

 ターンベースの戦闘。騎士でPTを守り、通常攻撃メインで戦ういつもの作品とは少し趣が異なる。まず、序盤は騎士がやたらと死にやすくてびっくりした。スキルや装備が整ってくるとだいぶ硬くなって安定した。そして、今作では魔法職以外の特技もMPを消費する。スキルポイントを注いで高レベルになるほど消費MPも上がるため、継戦能力を重視して範囲攻撃スキルを低レベルで止めたりしていた。騎士も毎ターンかばってるとMPが尽きてしまうのが悩みのタネだった。あと、切り込み目当てで侍使ってたのに覚えない。
 パーティ全体に効果のある「クランスキル」は魔法防御・先制・MP消費なしの3種類でシンプル。使用条件も1ターンおきに発動可能となっている。先制のクランスキルを使ったターンに敵を全滅させると宝箱が2倍になるのが稼ぎプレイにおいて良い刺激となった。コマンド入力中にLRトリガーで選択というのも使いやすくてグッド。

ボス戦と評価システム

 各層の最後には特徴のあるボスと戦い、パーティの平均レベルと討伐ターン数で評価が決定される。レベル評価は普通にダンジョンを攻略しているとボスまでに高すぎになってしまうくらいの厳しさだが、ターン評価とマップ評価で高得点を取ればレベルがちょっとオーバーしても最高評価が取れる。
 回避率が高いボスや毎ターン援軍を呼んで後列に引きこもるボスなど、それぞれ違った攻略法を要求されるのは面白かった。スキルの振り直しや転職も自由にできるため、試行錯誤もしやすい。物理攻撃が非常に強いボスが運ゲーだなーと思っていたら、騎士を忍者にして避けて耐える感じにしたら余裕になったりした。

レベリング・トレハン

 固定シンボルを回るか、「よびだし水晶」を使用して戦闘を行い、ドロップを吟味する。ボス討伐時の評価が高いと次の層の宝箱の中身がよくなるのだが、ドロップした宝箱のランクが上がるという演出が入る感じになっている。演出なしのSランク宝箱を見たことがないので、評価S以外でトレハンするのは大変そうだなという印象。
 レベルの制限は厳しいが、スキルポイントはレベルと別で入り、装備のレベルはいくつ上げても評価が下がらないので、レベリング・トレハンはかなり楽しい方だった。同じ装備でも3段階のレアリティがあり、レアリティが高い装備がドロップしたら育成し直しだ!

ダンジョン

隠しボンヘイム

 序盤は1フロアに1ボス、終盤は1層3フロアくらいある。階層ごとに趣の違ったギミックを楽しめる。敵はすべて固定シンボルで、オレンジが動かない、緑はランダム移動、青は逃げる、紫は強敵で追ってくるという感じ。特に紫はかなり強く、マップの特性を利用してうまく避けていかないと消耗で探索がままならない。大量の紫シンボルを別の部屋に閉じ込めたりするマップは面白かったけど、避け方が結局わからなくてゴリ押しした所もあった。強くなれば突破できるのはそれはそれで良い。ただ、イベント完了まで無敵のボスがマップ全体を追い回してくるダンジョンはキレながらプレイしてた。戦闘に入ったら逃げられないので死ぬか「おかえり水晶」を使ってダンジョンを脱出するしかない(バリアスデイライフかよ)。

 オートパイロットがデモンゲイズなどから更に進化して、ついに階層やワープポイントを超えたのは感動した。ワープ絡んだマップで自動移動を使うとプレイヤーにもよくわからんルート移動しはじめて、もはや気持ち悪い。

世界樹を意識した意欲作?

 レベルキャップでややシビアなボス戦や、FOE的なモンスターを避けながらのダンジョン攻略など、デモンゲイズ等とはかなり違ったプレイ感覚だった。例の100円セールはキッズ層を意識してのものだったらしいが、キッズ層の開拓というより世界樹が胎動してる間に席を奪おうみたいな内容だった。
 というか、キッズやDRPG初心者向けにしては難易度が高すぎる。雑魚戦(特に紫シンボル)で容赦なく死ぬ。DPRG慣れしている僕でもかなり死んだ。全滅にペナルティはないが、流石にこんなに死んだら心が折れそうである。
 評価システムがボス戦の内容メインなのに、ボスに挑める段階になってもショートカットが開通されないのが最悪だった。雑魚戦を何度か挟んで消耗した後のボス戦を何度もやろうとか思わないよ。僕は初見でS評価のことが多かったので、そこまで苦にはならなかったが。

総評:凡作、次回作が出れば期待

ゲームクリア評価

 難易度と評価システムが噛み合ってない、UIがデカすぎて見ずらいなど、難点はあるが楽しめた。クリア後にレベルキャップが99まで開放されるが、特に戦う相手がいないのも何なんという感じ。クリアまでは十分楽しめたので、評価システムなどを詰め直してやりこみ要素を追加した次回作が出れば良作になるポテンシャルを感じた。遊びたいから出して!あと、デモンゲイズも3部作って言ってたよなあ!
 蒼き翼のシュバリエと黄泉ヲ裂ク華が未プレイなのでやります。