京都芸術大学通信教育部デザイン科イラストレーションコースを卒業してみた

幼い頃、RPGツクールに出会い、RPGを作っては友達にプレイしてもらっていた。
そして、音楽ツクールからDTMに興味を持ち、いつの間にかそちらがメインに。同人CDなんかもいくつか制作した。
しかし、最近(3年前)は「やっぱりゲームが作りたい!」という気持ちが強くなり、Unityなどを勉強していた。そんなとき、ふと「個人制作ゲームにオリジナリティを出すのはイラストなのでは?」と思い立ち、イラストの練習を始めた。
もうなんかどういう気持ちで購入したのか記憶にないが、ちょうど手元にはiPadAirとApple Pencilがあった。買ってよかったiPad。iPadおすすめです。

目次

2021年度 イラストを練習する決意を固める

ダテ式おえかき塾 90日間で変わる画力向上講座

これが始まりである。なんで最初の教材に選んだかは謎。

ワーフリ模写

「ワーフリになりたい!」という目標で絵の練習を始めたので、この後の期間も定期的に模写している。

そのまま使える女の子ポーズ500

「トレスで正しい形を覚える」という練習法を信じて行っていたっぽいが、身についたかは不明。

小倉唯さん社員総会ポートレート模写

おそらく、写真からのキャラ化の練習。推しを描いていただけかもしれない。

デジタルツールで描く!服のシワと影の描き方

服のシワまだわからん。でも、影の形についてはさいなおが言っていた「かっこいい形に描く」っていうのはちょっと意識している。

ポーズマニアックス 30秒ドローイング

30秒ドローイングは難易度が高いので、初心者は90秒とかから始めたほうがいいと思う。

そして、たしかこの頃(?)、ポーマニさんがリツイートしていた「京都芸術大学イラストレーションコース」のツイートがタイムラインに流れてきて、「大学、入ってみるか~」と軽い気持ちで入学することになった。

2022年度 京都芸術大学イラストレーションコース 入学

誰にも言わずにこっそり大学での学びがスタートしていた。
まずは、様子を見ながら、最初に履修することが激推しされている「論述基礎」から着手。あとは流れで。コース専門科目は前提科目、前提の前提科目……などツリー構造がかなり複雑。さらに、1年で2回しか開講してないものも多く、この時点でかなり綿密に計画を立てておかないと、3年次入学でも2年で卒業するのは難しい。あと普通に課題のスケジュールも大変。

2022 Q1.

論述基礎

大学のレポートの描き方を学ぶ総合教育科目。実はこの講義を受けてから、ブログの文章も「常態」寄りになっている。

イラストレーションⅠ-1 デジタル演習AI

CLIP STUDIO PAINTを使ったイラスト制作について学んだ。この講義に限らないけど、イラスト提出系の課題はマジで評価が低くて、レポート系の方が才能があった。ただ、提出したものが数字で評価されることは久しぶりだったので、それはそれでちょっと面白い。

イラストレーションⅠ-2 クロッキーI(ヌード)

アナログで描いて写真を撮ってテンプレートに貼って提出だったので、描くことより提出が大変だった記憶がある。

デザイン基礎1(イラストレーション)美術解剖学

骨格や筋肉を学ぶ授業。これがトレスじゃなくて手書きなのが信じられないくらい何も覚えてない。筋肉とか骨は、存在している。

授業以外の取り組み

最高のイラストを作り出す!魅力的な「キャラ顔」の描き方

この本に限らないけど、自分の好みの絵柄を練習した方がモチベが上がると思う。

ポーマニ 90秒ドローイング

準備運動程度に続けていた気がする。

この頃描いた自主制作イラスト

まだ影とかを恐る恐る入れている感じがする。キャラもあんまり似てない。

2022 Q2.

イラストレーションⅡ-1 デジタル演習BI(名刺の制作)

名刺を新しくしたい気持ちはあるけれど、これはちょっと違うなぁという出来。今の実力でもう一度しっかり作ってみたら、どんな仕上がりになるだろう? それにしても「Webデザイナー」と名乗っているのが、今見るとちょっと面白い。

イラストレーションⅡ-2 人物キャラクター基礎I

アオリフカンが描けなさすぎてヤバい。今も描けるかわからん。助けてくれ。評価も単位取得ギリギリであった。

デザイン基礎2(イラストレーション)

レイアウト・構図を学ぶ講義。フィルムスタディーを学んだり、三分割構図や視線誘導を実践してみたりした。公開できないけど添削が非常に良かった。

授業以外の取り組み

M3-2022秋 ジャケットデザイン

絵は描いてない。ジャケットデザインと動画を担当した。ゆきまめさんが定期的に依頼をくれるおかげで、首の皮一枚でDTM界隈と繋がってるのを感じる。(DTMをしろ)

この頃描いた自主制作イラスト

百合を描きたいという気持ちは伝わってくる。

2022 Q3.

芸術史講義(日本)1

学部共通専門教育科目を12単位(6科目)取る必要があったので履修。これ系は概ね(イラストより)高評価だった。レポートのために土日に地域の図書館に通ったりしていて、まるで大学生みたいで面白かった。社会人になってから改めて大学生やると、やたら面白い。

芸術史講義(近現代)1

(以下、共通科目は省略。イラストがないので。)

イラストレーションⅠ-3 色彩基礎

色のイメージ、補色・同色系、空気遠近法、ライティング、寒色と暖色などを使って絵を描いた気がする。ちなみに、課題に出てくるキャラは全員オリジナル(二次創作不可なので)。

イラストレーション演習Ⅰ-1 メインビジュアル

タイトル「sushi」
3Dモデルを使ってカバンを描いていたり、細かいとこまで頑張っている。女の子は、自作ゲー主人公とクッキーの前身だったりするのかも?

でもなんかキミ、ラフの方が勢いあったよね。

授業以外の取り組み

この頃描いた自主制作イラスト

pixivにはなかったけど、ローカルにはあった!

2022 Q4.

芸術史講義(日本)2

芸術史講義(近現代)2

イラストレーションⅡ-3 イラスト実習I「食事風景のイラスト制作」

自宅の仏間をモデルにした気がする。講義内容は「イラスト制作は資料探しが大事」とかいう内容だったかなー。今も資料探しは念入りに行なっている。

イラストレーション演習Ⅰ-2 キャリア論「講師の作風の研究と絵柄を模倣したイラスト制作」

この課題では、寺田てらさんの作風を模倣した。
このあたりから「いけそうなら自作ゲームのキャラを課題に組み込んでいこう」という方針で制作。

授業以外の取り組み

ポーズマニアックス 60秒ドローイング

なぞるだけで絵がうまくなる!アニメ私塾式キャラ作画上達ドリル

結論から言うとなぞるだけでは上手くならなかった。それと、このシリーズの著者のキャラクターデザインが自分の好みと少し違っていたのもあって、モチベーションを保つのが難しかった。やっぱり、練習するなら「自分の好きな絵」を参考にするのがいちばん大事だと実感した。

この頃描いたイラスト

生煮えさんに「目線を合わせたほうが良い」とアドバイスされた記憶がある。た、たしかにー!

大学入学初年度、課題をこなしながら描きたいものもちゃんと描けててよかった。ただ、こっそり入学していた手前、Twitterに脳直ツイートをしていなかったので、その時の心境まではあまり覚えていない。ちょっと勿体なかったかもしれない。
入学当初から「卒業したらブログにまとめるぞ」と思ってはいたので、そのつもりでちゃんとメモを残しておけばよかった。(なんて気の長い仕込みだ)

2023年度 絵を描くのやたら楽しい期に突入

2023 Q1.

芸術史講義(日本)3

イラストレーションⅣ-1 デジタル演習BII「SNSアイコンの制作」

実際に使わない名刺の次は、実際に使わないアイコンを作る課題。2019年頃までベジェ曲線でイラストを描いていたので、当時を思い出しながらの懐かしい作業だった。
ジョークのつもりで付けたカラフル放射線背景が、まさか真面目に評価されるとは思わず、ちょっと面白かった。

イラストレーションⅣ-2 人物キャラクター基礎II

アオリフカンだー!ヤバい!!(死亡)
アオリフカン、今なら描けるか?という問題だが、多分適切に資料を集め、描けるまで描き直し続けるので、結果的には描けると思う。描きたくないけど。

イラストレーション基礎1 アニメーション

クリスタPROだと24フレームまでのアニメしか作れなくて、この課題をやる時だけEXにしてたことが強く印象に残っている。この時学んだフォロースルーなどのテクニックが、後のドットアニメーションに生きてるかもしれない。

イラストレーション基礎2 書籍イラスト「ライトノベルイラストのリサーチと制作」

いくつかのお題の中から選んでイラストを描くやつ。動画教材では、なんとあのrefeia先生🍣が登場。「とにかくフチにハイライトを入れろ」とアイツは言っていたが、さいなおは「全部なぞるな」と言っていて対消滅した。

授業以外の取り組み

ポーズマニアックス 30秒ドローイング

まだ早いんじゃないか?

ピクシブ描き方

なんやこの指名手配みたいなのは。
在学生特典でpixivプレミアムが配布されていたので、せっかくなので「pixiv描き方 – sensei」を受講してみた。人物に関してはきほんのキしかやらないのに、急に本格的な背景を描き始めるので風邪をひきそうになった。

推しデッサン

キョウカちゃんの御神体を買ったので、しばらく毎日デッサンをしていた。

この頃描いたイラスト

絵柄がまあまあ出来てきている感じがする。

2023 Q2.

芸術史講義(日本)4

イラストレーションⅢ-1 デジタル演習AII「CLIP STUDIO PAINTを使ったキャラクターイラストの制作」

遂にプリン(自作ゲー魔法使い)の初期案が出てきた。クリスタの機能を使って絵を描くという課題で、3Dデッサン人形でポーズを作り、ぼかしフィルター・色調補正を使ったり、メッシュ変形で服の柄の作成などを行った。

イラストレーションⅢ-2 クロッキーII(着⾐)

アナログでクロッキーを描いて、写真を撮って取り込むやつ第二弾だ!切り抜いてテンプレートに整列するのが大変だった(感想)。

イラストレーション演習Ⅱ-1 世界観表現・コンセプトアート

キャラデザが結構できてきている。添削で背景がやや抽象的と言われているように、背景素材ブラシ期(?)である。

授業以外の取り組み

瞬撮アクションポーズ

この時期はさいなおをよく見てた気がする。さいなおがやれって言ってたのかな?

この頃描いたイラスト

他にもミンサガのイラストなどを多数描いており、急に絵柄が完成してきている。何が起こったの?

2023 Q3.

イラストレーションIV-3 イラスト実習II「世界観を設定し、人物キャラクターとパートナーとなる動物キャラクター、建築物のデザイン」

課題のテーマに便乗して、ここで自作ゲーのプロローグ版に登場するボスをデザイン。楽しく課題を制作できた。

イラストレーションV-1 業界知識・情報発信「業界リサーチとイラスト提案」

イラスト業界で実際に行われた企画に参加する、という体でのイラスト制作課題。「Emotions2023」という企画に合わせ、Emotionとは女の子同士のカップルである!という強い思いのもと、年の差百合(女子学生×30代甘ロリ女性)をテーマに制作した。Twitterにもラフを4枚投下した気がする。

イラストレーションV-2 デジタル着彩

講師の線画に着彩し、背景まで仕上げる課題。線画に著作権がありそうなので掲載は控えておこう……!個人的にはかなり手応えのある出来だったが、評価は単位を落とすギリギリだった。

イラストレーション演習II-2 アートディレクション

「イケてないイラスト」をディレクションして(自分で)描き直すという課題。うおー!可愛く描けた!と思ったら、添削が更にイケていてスゲー!ってなった。

授業以外の取り組み

この頃描いたイラスト

可愛い絵が描けるようになってきて、一生楽しい期に突入。今書いているこのブログの文体まで、釣られてなんだか楽しくなってきてしまっている。

2023 Q4.

イラストレーションIII-3 背景画「椅子に座って勉強する人物を描く」

制作中のゲームキャラクターの現パロみたいなイラスト(完成もしていないゲームの現パロ?!)。背景のパースがガッタガタで、添削でもパースがガタガタガタガタと言われまくってる。おっしゃるとおり。

イラストレーションV-4 コンテンツプロデュース「京都の伝統工芸品に対してセルフプロデュースを行い、提案書とイラストを制作する」

キャラは可愛く描けたけど、僕にはコンテンツプロデュース力がないことがよくわかった。展開例に「インターネットを頑張る」みたいなことしか書いてなかった。自分のゲーム出す時大丈夫か?

イラストレーションV-5 キャラクターデザイン「 場所をテーマにしたキャラクターの制作」

あわよくば自作ゲーの妖精枠にしようと思ってデザインを始めたが、結果的にはそうはならなかった。
モチーフは「長野県阿智村 天空の楽園」。
自分にしては作画スピードがかなり早く、1枚あたり4時間くらいで仕上げている。

イラストレーションV-6 イラスト実習III「人物と機械を含むイラストの制作」

自作ゲーの世界観で博士キャラをデザインという想定。因みに、プロローグ版には出てこないキャラ。モノクロイラストを制作するという課題なのでモノクロ。これ以降に、モノクロイラストを描いたことはない。デザインは結構気に入っていて、Twitterにラフを載せた気がする。

授業以外の取り組み

M3-2024春 ジャケットデザイン

いつものジャケットデザイン+動画担当。人物絵は描いてないけど、動画に使うテクスチャをちょっと描いた。

ジェスドロパーティー

3月から8月にかけて、100回ほどパーリィに参加した。

この頃描いたイラスト

この絵はなんか正月に親族にも見せた気がする。なお、大学に入ったことは家族にも言ってない(郵便物で感づいてるかもしれないが)。

2023年度は「描きたい絵」に自分のスキルが追いついてきた実感があり、創作を楽しめた一年だった。課題中にキャラクターデザインも進めることもでき、自作ゲームも少しずつ形になってきた感じがする。
また、重めの課題を計画的に消化できたおかげで、単位の取得状況も順調に進んだ。3年次は卒業制作に集中する体制が整ったと言える。

2024年度 ゲーム制作開始

2024 Q1.

イラストレーションV-3 デフォルメ表現

イラスト系の課題の中で、最も評価が高く、自分自身もお気に入りの1枚。講義内で学んだ「ハリボテ背景」の手法が、自分の作風に非常にフィットしており、とても楽しく制作できた。

イラストレーション演習III-1 ビジュアルストーリーテリング「ストーリーボードの制作」

博士キャラ以降にモノクロイラストを描いてないと言ったけど、実はわりとすぐに描いてた。イラスト自体は楽しく制作できたが、「ビジュアルストーリーテリング」の意図をある程度無視して描きたいものを描きまくった結果、添削ではボコボコにされた。無念である。

授業以外の取り組み

この頃描いたイラスト

自他ともに「ワーフリに成った」と感じた一枚。本格的にキャラデザを開始するきっかけとなった。多分。

2024 Q2.

イラストレーション演習III-2 ゲームイラスト「ゲームイラストのリサーチと制作」

パズドラの高レアリティキャラの情報量や描き込みを徹底的にリサーチし、オリジナルの「アマテラス」をデザイン。その後、FGOの概念礼装を参考に、イベントスチルも描いた。

授業以外の取り組み

この頃描いたイラスト

僕のpixivの中では一番伸びている作品になった。4コマもまた描きたいね。

2024 Q3/Q4

卒業制作(イラストレーション)

これは、企画提案書みたいなやつ。
卒業制作では「ゲームをプレイアブルな状態で公開すること」を目標に掲げ、キャラデザ含めて6月頃から本格的に制作を開始。しかし、実際に完成した範囲は「最初のボスと戦うまでの約15分程度」というボリュームに留まった。ゲームを作るのって本当に大変だ!制作の途中には、卒業制作参加者同士で意見交換をする機会もあり、「仲良し女児RPG」という仮タイトルが妙に刺さっていた人がいたのが面白かった。

イラストレーション演習IV 「ポートフォリオの企画書とデザイン提案書の作成」

これは、実際に提出したフォーマットの一部。
表紙・裏表紙を含め、全16ページ(以上)のポートフォリオを作成する課題。半分くらい「仲良し女児RPG」のキャラクター立ち絵・ドット絵・設定画で埋め、もう半分くらいをこれまでの授業課題で埋めた。添削が入ってるやつはレタッチしようかな~と、ファイル名に「レタッチしろ!」って入れておいたけど、実際にレタッチされたのは1枚だった。

そして、お待たせしました。
ここで、卒業制作に提出した「仲良し女児RPG」の動画を、全世界初公開します!
※映像は制作中のものです。

テーマは「かわいいキャラクターで楽しむハクスラRPG」。
レベルアップしてキャラクターが強くなる爽快感や、強力な装備を見つけた時の達成感など、ハクスラ特有の楽しさを、明るく可愛いキャラクターたちと共に味わえるように設計しています。
DQ2くらいの規模感を目指しつつ、王道のファンタジー世界に、僕のツイッターみたいなノリの会話イベントを多数盛り込んでいます。

改めて動画を見返してみたら、戦闘で通常攻撃しかしていなくて潔すぎた。でも安心してください、主人公はDQ2のローレ枠なので、通常攻撃最強でバッチリ調整していきます。

そんな感じで、無事に卒業制作とポートフォリオの提出も終わり、今は「仲良し女児RPG」の続きを制作中!

卒業してみた感想

絵もまあまあ上手くなったし、大学で勉強するっておもしれーって思った。段階的なカリキュラムで、絵の学び方から身についていくのも良い感じ。ただ、Zoomを使った講評や個別面談に参加しなかったのはちょっと勿体なかったかもしれない。逆に言えば、Zoomをインストールしなくても卒業はできるので、マジで人間と関わりたくない人も安心。
とりあえず、「ゲーム作るなら絵だよな~」とぼんやり考えていたところから、課題提出を絡めたりして、結構前進できたのでよかったと思う。

おわりに

大学生はおしまいになったけど、これから本格的に「仲良し女児RPG」の制作に入っていくし、絵もまだ上手くなりたい!
ゲーム制作の進捗は、今後Ci-enで報告する予定なので、よかったら登録してね~!

チャオ!

https://ci-en.net/creator/28911