Caligula2/カリギュラ2はヒストリアが開発、フリューが発売した学園ジュブナイルRPG
2016年に発売されたCaligulaの続編で、タイトルは禁止されるほどやってみたくなる心理現象「カリギュラ効果」に由来している。
僕はVita版のカリギュラ、リメイク版のカリギュラオーバードーズもプレイ済み、アニメも視聴した、ということは、もしかしてこのゲームのファンなのでは……というプレイヤー。けどODの時にレビューした通り、旧作はシナリオと音楽は良いけどゲーム性が壊滅的だったよ。
そして続編のカリギュラ2は長所を伸ばし、短所もまあまあ頑張った!という感じ。
プラチナトロフィー取得まで60時間ほど遊んだよ。
目次
カリギュラの特徴
カリギュラの舞台は共通して仮想世界。そこで出会う人物はだいたい全員、現実で何かあって仮想世界に囚われてしまった人で、姿や年齢も見た目通りとは限らない。今作では後悔があって人生をやり直したい人が取り込まれている。そんなキャラクターたちの現実での後悔を興味本位で覗き見するというのが、このゲームのコンセプト!
イマジナリーチェイン
バトルはタイムライン制のコマンド入力式。コマンドを決定する前に、その行動をした時の結果予測が表示される。敵の行動にカウンターを決めたり、ガードを合わせたり、味方の攻撃に追撃したり、最適な結果を選択して戦闘を有利に進めていく。格ゲーのTAS作ってるような感じ(?)
有名ボカロPによる楽曲
有名……なのかは僕は存じてないんだけど、ステージボス的存在である楽士にはそれぞれ別の作曲家が担当するテーマソングが割り当てられている。前作では上田麗奈さん、今作では香里有佐さんが全曲歌い分けている。ダンジョンではオフボーカル版が流れ、戦闘に入るとボーカルが乗る。また、ボス戦では別アレンジが使われている。楽士のストーリーに寄り添って作られた楽曲はどれも個性的で聴き応えがある。
戦闘
ODまでは1人3回行動で4人PTなので、会敵して戦闘が始まるまでにコマンドを12回入れる必要があったが、1人1回行動になった。自分で空中に浮かせて自分で追撃する「1人コンボ」みたいなことができなくなったのは前作プレイヤーからすると賛否あるかもしれない。
リスク管理
敵に攻撃を当てると「リスク」が上昇していき、一定量を超えると「リスクブレイク」が起きて一定時間与えられるダメージが倍くらいになり、攻撃で怯みやすくなる。
相手の強力な技をリスクブレイクで潰したり、1ターンくらいしかないブレイク中にできるだけ攻撃を叩き込めるように行動を調整したりと戦闘に広がりを持たせる要素。
フロアージャック
今作からの新要素として、歌ゲージ?ボルテージ?みたいなのが貯まるとパーティの妖精枠であるキィを歌わせて、一定時間バフをかけることができる。フロアージャックを発動した瞬間に全員にターンが回ってくるのもトリッキー。
ボスや宝箱から手に入るリソースでバフ内容も強化できる。ターン短縮とかが凶悪すぎてノーマルでは過剰バフかな?と思ったけど、エンドコンテンツではちょうどいいくらいだった。
ところでこいつ、妖精枠(?)なのに人間サイズなので個人的にはちょっとキモかった。
AIによるオートバトル
わりと成立するレベルになっていた。ODのオートバトルはAIが自由すぎるというか、完全にランダムで技を選んでいるのか、虚空に向かって対空攻撃したり、ひたすらダウン待ち技を構えるニートが発生していた。無印はオート無いんで12回コマンド入れてください。
今作のオートバトルはAIの進化というより、ランダムで技を選んでも成立するように技自体を調整しているように感じた。まあ、形はどうあれ成立するのでヨシ!個性・積極・消極の作戦があるんだけど、全体にしか出せないので切子ちゃんは積極で攻撃!ニコは個性で支援!とか分担はできない。
歌詞背景がすごい
戦闘中の背景にかかっている曲の歌詞が流れるんだけど、ガチのMVですごかった。めちゃくちゃ出来がいい。
戦闘の頻度が高い
ボス戦が難易度ノーマルでもかなり歯ごたえがあって楽しかった一方、ザコ戦は頻度が高くて面倒な印象。
もう少し1戦を重くして経験値などの見返りを多くしたバランスの方がゲーム性に合っているんじゃないだろうか。
因果系譜
ゼノブレのキズナグラムみたいなやつ。NPC全員にプロフィールがあるのでえらい。クエストのクリア条件やNPCの所在地など、情報量も十分だった。前作は人数がひたすら多くて同じクエストがやたら出てきたが、今作は常識的な人数でクエスト内容も一般的な現代を舞台にしたRPGみたいな感じになった。
クリア条件に特定のスキルを要求されることがあるが、装備を付け替えるのが面倒だったので所持してたらクリア条件満たしてほしかったな~。
ポケットティッシュリセマラ事件
今はアップデートで調整されたらしいが、全てのクエストの中で「ポケットティッシュを30個集める」というやつが最難関だった。ポケットティッシュはくじびきのハズレでのみ排出されるのだが、くじ引き券の入手手段がかなり限られている上にハズレを引く確率がそんなに高くない。少ないチャンスを有効に使うため、セーブしてポケットティッシュ以外が出たらロードという逆リセマラみたいなことを2時間くらいするハメになった。
ストーリーが期待を遥かに上回る面白さ
前作の事件から5年後、謎のバーチャドール・リグレットによってまた同じような事件が起こっているという話。繋がってはいるけど、2からプレイしても十分楽しめると思う。というか、前作はよっぽど興味がなければオススメしない(ゲームの出来が悪い)。
仲間キャラクターと楽士それぞれに現実の姿というギミックがあり、ストーリー上で予想しながら個人エピソードで答え合わせするのが面白かった。ストーリーの進行をWIREというグループチャット的なやつで確認できたり、ダンジョン道中でゲーム進行を止めない形で会話が入ったり、システム面で世界観を丁寧に補強しているのも良い。
楽士が一通り出てきて物語はクライマックス、残る謎はリグレットのみ……ってところからが本当に面白かった。
同じテーマでこれ以上面白い展開は書けないんじゃないだろうか、今の時代だからこそ刺さる内容だった。あと、香里有佐さんの演技が素晴らしかった。今作で1番好きなキャラはリグレットです。
微妙だったとこ
3Dモデルの出来が15年前レベル。イラストは表情も豊かで非常に良いんだけど、3Dモデルは差分がないわけではないが、必殺技のカットインとかでアップになる時とかは無表情。だけど、なぜか眼球だけ常に揺れているという謎のこだわりがあった(本当に何?)。
周回があるのにスキップ性能が相変わらず低いのも微妙。オプションボタン押し込みキープは押しづらい上に、会話の場所毎にスキップという感じなので1つのイベントで何度もスキップする必要がある。
主人公が喋らないので個人エピソードがキィの説教劇場になるのが個人的には微妙。
スキップトラベルのポイントは充実してたけど、キィトレインという拠点を経由しないと別のマップに行けないのが不便。
プロメテウスの塔攻略
クリア後に解禁されるエンドコンテンツ。最高難易度でクリアできたので一応共有。
プロ塔では専用アイテム以外での回復がほぼ無効なのでヒーラーは不要。適当なキャラにアイテム範囲化と効果アップのスキルを装備させておく。塔で手に入るロイヤルクランチはHPだけでなくSPも回復し、なんと復活効果もあるので、サポート役だけ確実に死なないように立ち回る。フロアージャックが発動してない時は無理しない。ラスボスのアルテマトリガー(ガー不10割技)は敵にめり込んでいく突進技を使うと避けやすい。
総評:良作JRPG
音楽やストーリーは更に磨きをかけ、ゲームシステムも他人にオススメできるレベルになった!
特に物語のクライマックスは多くの人に体験してもらいたい。