サガフロはサガのお祭り作品だった!現代向けにきめ細かくリファインされた「サガフロンティアリマスター」レビュー

MOTY2020サガスカーレットグレイス緋色の野望を選出した僕だが、実はサガフロは未プレイ!サガフロ2は買ってプレイしたけどクリアできなかったよ。
今回満を持してサガフロ初プレイとなったわけだけど、非常に面白かった!ロマサガ2,3のリマスターも、とても品質が良かったけど(2は効果音がなんか変だったが)今回も高品質なリマスターだった。

リマスターは70時間プレイしてトロコン済み。好きなキャラは零姫だよ。売り切れじゃ。

「サガ」と「ロマサガ」のいいとこ取り

大人が公園に
入って来んなよ!

サガフロ2が全然毛色の違う尖ったゲームだったので予想外だったんだけど、サガフロは正統派サガの血脈というか、GBサガ~SFCロマサガの要素を詰め合わせ昇華したゲーム性になっている。これはもう祭り。サガフェスティバルを名乗ってもいい。多分名乗りたいけどダサくて恥ずかしいから名乗ってないだけ。

7人(リマスターで8人)の主人公による「フリーシナリオ」

今作はロマサガ1,3で採用されていたフリーシナリオシステムの決定版となっている。ロマサガではオープニングやサブイベントが多少違うだけで、どの主人公を選んでも同じ結末に向かっていったが、サガフロでは全ての主人公に違う結末、専用のラスボスが用意されている。さすがプレステ、大ボリューム。

「ヒューマン」「妖魔」「メカ」「モンスター」の4種族が仲間になる

GBサガの決定版といえる要素。それぞれ育成システムや戦い方に特徴があり、主人公によって仲間になる種族が偏ったりもするのも面白い。例えば、メカ5体でPTを組めるのはメカの主人公であるT260Gだけ。

以下、各種族の特徴

ヒューマン

キック

最も自由に育成できる種族で、GBサガ~ロマサガのように戦闘で全てのステータスが成長し、ロマサガ2,3のように技を閃くことができる。武器が素手・剣・銃の3種類で少なく感じるが、技の種類が非常に多い。

妖魔

戦闘ではHP/魅力/WP/JPのみ成長し、他のステータスは妖魔武具へモンスターを「憑依」させることで上げることができる。憑依させるモンスターによって上がるステータスや使える技が決まっているので、育成にそこそこ知識が必要。ヒューマンと同じ武器を装備できるが技は一切閃かない。術はヒューマンとほぼ同じように使えるので基本的には術で戦うイメージ。

メカ

装備のみでステータスが決まり、メカ系のモンスターを吸収することで新たなプログラム(技とかパッシブ能力)を開発することができる。育成に手間がかからず、高火力を出しやすい。

モンスター

倒したモンスターを吸収すると能力を習得することができ、その組み合わせによって別のモンスターに変身する。吸収したことのある能力の種類が多いほどHPが高くなる。育成が難しいしランダム性が高く面倒。

「閃き」に匹敵する大発明「連携」

濁流神速真アル・無サイクロン

旧作の良いところを詰め込んだだけではなく、新要素の「連携」も抜群の味付けになっている。
連携できる技や術の行動順が連続している時に発生し、敵の防御力を無視した攻撃に変化する。ヒューマン・妖魔・メカ・モンスター全ての種族が参加することができるのが熱く、戦闘をドラマチックに彩っている。あと、たまに敵が連携してくると信じられないくらい痛い。

現代向けのチューニング

ラストバトル前までパッと行く?

今後全てのリマスターはこれを基準にしてほしいくらいテンポよく快適に遊べる。
倍速は切り替えがカジュアルで使い勝手がよく、ローディングで待たされることもほぼない。クイックセーブとクイックリスタートによる再開がとにかくスムーズなのもポイント高い。ソフトリセットも完備。

引き継ぎ項目が細かく用意されたNew Game+と、新たに追加された最強状態のボスも非常に良かった。ミンサガにあった真サルみたいな要素なんだけど、サガフロの通常ラスボスは育成に慣れるとかなり弱いので、やりこみの新たな目標に相応しかった。

痛快なヒューズ編

8人目の主人公として追加されたヒューズ編は、最近流行り(?)の運命改変系。クリアした主人公のシナリオをヒューズ視点でプレイできる。各主人公が人生をかけて立ち向かっているような難事件を、ヒューズがIRPOの力(個人の戦力)でサクサクと解決していくのが痛快。2周目以降に選択できるキャラということもあり、オープニングイベントが終わって自由行動できるようになったらすぐラスボスに向かうことができる。
ヒューズの台詞回しが面白く、各主人公の事件の裏側なんかもわかるシナリオになっていて、別解を見るのが毎回楽しみだった。

各ルート感想

バトルやシステムも面白いんだけど、シナリオもかなり面白かったと思う。

エミリア編

こんなときに変な言い方だけど、
楽しかったよ、エミリッカ

完全初見だったのでツイッターでサガフロ識者に初心者向けの主人公をきいたところ、エミリアという意見が多かったのでエミリアからプレイした。最初にプレイしたので全員名前をつけられるものだと思っていたら、なぜかエミリアとリュートとT260Gしかつけられなかった。なんで?

ヒューマンで育成しやすく、サガシリーズを知っていれば馴染みのある感じで確かに初心者向けかなーと思ってプレイしていたら、ラムダ基地で詰みかけた
エミリア1人で潜入するイベントなんだけど、育成しすぎていたせいでボスが最高ランクになっていて、仲間は初期能力のアセルスと白薔薇のみ。ゾズマは仲間になるの気付いてなかった。結局ボスが単体で出現して盾回避連発するのを粘ってなんとか攻略した。

私、機械って苦手‥‥

エミリア編はメカが全く仲間にならないのと、妖魔が複数仲間になり白薔薇が最後までパーティインしているのが特徴。ヒューズ編では仲間にしやすいけど、白薔薇を開発2部に連れていけるのはエミリア編のみなので、彼女の妖魔武具にマリーチを憑依させたい人はエミリア編を通過しよう。一部の企業系攻略サイトにシステムデータを消さないと開発2部には2度と入れないとか書いてあったけど、条件を満たしたらクリアする度に入れるよ(確認済み)(調査中ではない)。

エミリア編は行動によってエンディングが2パターンに分岐し、ヒューズ編でも分岐するので全部で4パターンのエンディングがあるんだけど、些細な選択なのに思ったよりダイナミックに結末が変わって驚いた。ヒューズ編の分岐が熱くてお気に入り!

T260G編

二人目は装備を引き継ぐと楽になりそうだったのでメカをチョイス。ほとんど育成せずにガンガン進めたらモービルマニューバで詰みかけた。タルタロスというT260G専用マップにいる固定敵なんだけどエ゛ッッッッ強すぎん??しかも4体もいたので何人かのLPを犠牲にして突破した。

上にも書いたけどT260G編は全てのキャラクターの中で唯一、メカで5人PTが組める。けど2周目だとハイペリオンとかレア装備が足りないのでまずは無難なPTでクリアして、全キャラクリアしてから改めて挑戦した。
メカ5人PTの感想なんだけど、pzkwVが弱い。固定装備が多すぎる。

ちなみに、トロコンのためにはボロのショップで不良品を買う必要がある。

アセルス編

これが私とアセルス様の出会いでした。
その血で汚れた姿に
恐怖さえ感じたのを覚えています。

3人目誰やろう!ってツイッターでアンケート取ったらアセルスが人気だったので次はアセルスをプレイ。
アセルスはインサガの軍師ってイメージだったんだけど、本編を遊んでみたらインサガのキャラって意外と原作に忠実だったんだなって思った。なんで軍師やってたのかはよくわからんけど。

アセルス編はシナリオも音楽も一番好きだった。ファシナトゥールに戻ってきた時のBGMが特に良い。なんかよくわからん他人のモノローグで物語が進むのも独特で面白い。最初に到達したエンディングは妖魔エンドだった。ハッピーエンドでは?と思ったけど、白薔薇がいないから完全ではないか。後ほど全エンディング回収したんだけど、人間エンドだけはちょっと受け入れ難い。だって、アセルスが男と結婚するんだよ?あまりにも解釈違い。女の子は女の子同士で、女妖魔は女妖魔同士で恋愛すべきだと思うの。

じゃあ、口に出して言ってみな。
好きだって。

百合を後押しする男、ゾズマ。僕がアニメを見ながら「チューしろ!」とかツイートしてるのと同じ感覚。いや、女性声優にリプするのに近いか?許せんな。

引き継ぎありでプレイしてたので難易度がどうなのかわからんなと思って、一通り遊んだ後に引き継ぎなしでアセルス編を遊んでみたんだけど、育成を完全に理解した後だったので流石に楽勝だった。序盤のアセルスがクッソ弱くて即死しまくるけど、幻魔がアホみたいに強いのでなんとかなった。

クーン編

クーンは面倒だったが説明した。

モンスターの育成も慣れてきたしいけるやろ!と思ったら、そういう問題でなくヴァジュイールの試練がかなりのクソゲーで二度とやりたくないと思った。マグマスライムは第2PTにLPの高いメカを編成してミリオンダラー、針山の部屋はわからん!クソ!!

準備はいいか?

ラスボス前になぜか長老が準備はいいか聞いてくるのがツボった。

リュート編

杯のカードが来たぞ。
飲ませろ。

最初には選ぶなとツイッターで釘を刺されていたリュート編を満を持して5人目にプレイ。
他ルートでリュートそこそこ鍛えてるし余裕でしょ~と思っていたら、いつの間にかリュートと艦長2人だけでラスボスと戦っていた。え、個別ストーリーなさすぎない!?

俺は酒で誤魔化しながら、
ずっとこの時を待っていたんだぞ。

このシナリオ、リュートよりもゲンの存在感の方が強い気がする。

レッド編

ブラッククロスの奴等を
ぶちのめす!

前半はキグナス号で観光ゲー、後半はヒーロー物といった感じ。もう6人目なのでかなり雑にプレイしてヒーロー技を全然回収してない。

このシュウザー城を
突破してきたことは褒めてやろう。
だが、ここが貴様の墓場だ!

廃ビルみたいなとこを城と言い張るシュウザー。小此木博士の脳の無駄遣い。

レッド編とにかくノリが面白く、シンロウ王宮が大爆発しちゃうのも好き。ヒューズ編もめっちゃ面白い。

ブルー編

ルージュを殺せ!

心の声が面白いブルー編。アセルスが3種類のエンディング全て丁寧に描かれているのに、彼はラスボスを倒した瞬間にザ・エンドォ!と出て終わる。ルージュとの戦い以降はエピローグという演出らしいが、あんまりだと思う。

ブルー・ルージュ・ヒューズブルー・ヒューズルージュルート一応全部プレイしたんだけど、ブルー・ルージュはほぼ同じ、ヒューズ編ではそれぞれ後日談が描かれるけどすげー短い。

ルージュとの決闘、サイキックプリズンされてどうしていいかわからず、光の剣で殴ってたら勝った。

最強ディーヴァ攻略

限界バトル

トロコンのためには最強状態のボスを1体は倒さなきゃいけなかったので「妖魔PTで下級妖魔さん蹂躙したろw」と思いディーヴァに挑戦。最強状態ではダメージ軽減できなくなっていることを後から知ったけど、せっかくなので妖魔PTで倒すことにした(全員にマリーチ詰め込んだし)。

ヒューズは全ての最強ラスボスに必ず顔を出すことになるので、シンロウ遺跡のスライムで完成させた。
ヒューズの育成をしている時に、ロマンシング サガ リ・ユニバースはこの作業が永遠にできる神ゲーだということに気付いてダウンロードした。生活が壊れるのがネック。

PTメンバーはヒューズ・白薔薇・時の君・サイレンス・メサルティムの妖魔チーム。下級妖魔も混じっているが気にするな。色々準備していったけど、ゼロ形態は雷耐性があればイナフ、ワン形態は光の剣のオートディフレクトが強い。全員デュラハンの盾だったんだけど、ワンダーバングルの方がよかったかもしれない。敵の攻撃回数が多いのでシャドウサーバントはすぐ消されてしまう。あとは長期戦になるのでよっぽど鍛えてないとDSCではWPが枯れてしまう。

まあどうしても倒せなきゃタイムリープとかも有効らしい、僕は使わなかったけど。

総評:神ゲー

アセルス殿!

元から面白いゲームだったんだろうけど、ゲームテンポ・やりこみ要素が現代向けにチューニングされており、神ゲーの神リマスターと言い切れる出来になっている。

過去作もやらずに河津は新作を作れとか言ってる場合じゃなかった、そんな僕が今言えることは1つ。
サガフロ2もリマスターして。

追記

ヒューズ編ラストバトルの曲を打ち込んだよ!