メタルマックスゼノ レビュー

メタルマックスから徹底的にメタルマックス要素を取り除いた「異端」それが「メタルマックスゼノ」だった!

というわけで、70時間ほどプレイしてプラチナトロフィーをゲットしたのでレビューをやっていく。面白かった、夢中でやってしまった。PS4版をプレイ。

ストーリーモード

スーパーAIノアの反乱によって絶滅危惧種となった人類の生き残りを探したり、主人公は親を殺したモンスターが憎いので殺したりする。
なんやかんやあって、子供を産めるのがヒロインのトニだけになったので色々気持ち悪い話とかをする。
かなり深刻なテーマだけど、やけに中途半端なボスを倒して終わる。
まあ、作品全体というか仲間たちの意思とは別に、主人公は一貫してモンスターを殺してやるのが目的だったので筋は通っているかもしれない。

ゲームを開始してからしばらくはファミコンのRPGをやっているかのような単調な戦闘が続く。カスタマイズなどに自由さが出てきて楽しくなってくるまで6時間くらいはかかるように感じた。僕とかはまあ最初から楽しかったんだけど、メタルマックスシリーズ初体験の人なんかはとりあえず6時間遊んでみてほしい。

ストーリーは一本道で寄り道要素もサブクエストもなし。イマドキ珍しくメインストーリーの目的地にマーカーが表示されたりしないのでちょっと迷うけど、それはそれで懐かしい感じなので別に良い。ストーリーの合間に拠点にいる仲間に話しかけるとフルボイスで喋ってくれるんだけど、個別イベントとかはないので掘り下げが足りなく感じた。

ストーリーモードのキャラの印象↓

タリス

突然叫びだすので自分の名前(HN)とかつけてプレイすると、一人でやってても恥ずかしくなる。トニよりヨッキィのことが好き。ストーリーで散々触れてきた身体の機械化については特に解決もしないし原因についても語られないまま終わる。1枚絵で脱ぐ。

トニ

今作のヒロイン、主人公に告白するが「ヨッキィはいいやつだ」という理由でフラれる。エンディングのトニが非常に可愛いのでまあ全部許そうかなと思った。1枚絵で脱ぐ。

ヨッキィ

メカニック。やたらと童貞いじりをされるが、とあるイベントを経て克服する。1枚絵で脱がない。

ディラン

ロリコン。常に脱いでる。

ミサキ

気が短い。脱がない。

マリア

歩いて10秒くらいの場所にいるボスから本を守り続けていた。もっと深いダンジョンにしてやれや。脱がない。

イティカ

ミュートという種族で特技は変身なのだがストーリーに活かされることはなかった。脱がない。パーティに入れると雰囲気が明るくなる。尻尾、巻きまーす!

カットシーンが最近見た中ではイース8以上に動かなくてかなりヤバい。ちょっとした段差をまともに降りることができないレベル。動きがありそうなシーンは暗転とか視点をずらしたりする。あと主人公がよく叫ぶ。

戦闘

基本的にクルマ(戦車)に乗って戦闘する。リメインズというダンジョン以外の場所で人間戦闘をするとだいたい即死する。全滅してもゲームオーバーにはならず、ノーリスクで拠点から復活する。

戦闘はターン制、敵味方が同時に動くのでかなりスムーズ。終盤になると兵器の発射回数を増やすことで強化していくので少し長めになる。

メタルマックス3からのお約束として、ボスモンスターは有用な装備をドロップするように設定されている。ドロップを粘るのも良いが、偶然拾った装備で旅をしてみるのも一興。

シールドブレイク

今回良かったのがシールドブレイクという新要素。属性相性とは別にシールドブレイク対象の属性があり、その属性で一定のダメージを与えてゲージを削り切るとシールドブレイクが発生して、与えるダメージが増えアイテムのドロップ率も上がる。
このアイテムドロップ率アップが体感かなり大きく、ドロップマラソンをするにはシールドブレイクがほぼ必須となっている。ボス毎に属性兵器のセットアップを考えるのが楽しい。

射撃モード

もう1つ良かったのが射撃モード。敵が出現してもすぐに戦闘には入らず、射撃モードで先制攻撃することができる。射撃モードで1発で敵を倒せると経験値が普段の倍入ることもあり、格下狩りだったり射撃モード用の兵器を整えるのが楽しい。
カタカタ…ドーン!…カタカタって砲塔が回る演出も好き。

システム

今回とにかくロードが爆速で、プレイ中はツイッターすら見てる暇がなかった。メニュー開閉はもちろん、戦闘開始終了やマップ移動すら一瞬だった。

マップ

宝箱とベスターポート(チェックポイント)等が見える範囲で表示されているためアイコンだけ追いかけがちになるが、それとは別に金属探知機で埋蔵物を見つけることができるので経験の差が出る。僕はヒトマル式(埋蔵戦車)を見つけたのが5周目だった。
東京のランドマークが点在する以外は砂漠になっている。
マップの移動はほぼ戦車で行う。小回りがきかなかったりバックできなかったり戦車の動きはかなりトロいのだが、そこがまた愛おしい。
そして今回、アイテムにドッグシステムはないがオープニングを終えたらメニューからいつでもワープできるようになる。

改造

メタルマックスといえば戦車の改造!なんだけど、今回は兵器の改造も守備力下げることしかできないやつが多いし、弾倉は改造できないしで自由度が低かった。シャシーのパターン改造もツリー先がわからなくて何度も戻って確認しなきゃいけなくて不便。
一方で、装備のセッティングという意味でのクルマの改造は前述した通りシールドブレイクで属性攻撃が重要になったのもあってシリーズで1番面白くなっているまである。

クルマの製造

シャシーの改造が満足にできない分のリソースはこちらに回されている感じだった。クルマの設計図は主にリメインズなどのダンジョンで手に入るのだが、周回を重ねる毎に乗り換えを検討する程ポテンシャルの高いクルマの設計図が手に入る。ただ、性能の優劣がかなりはっきりしているのでそこまで自由度はないかもしれない。

特性チップ

前作まではCユニットという装備に特性が乗っていたが、今回は特性チップというもので直接付与する、後半に製造できるようになる戦車ほど装備できる数が多い。
特性にはキャノンラッシュやバルカンラッシュ等のアクションを追加するものと、対空やダブルヘッダー等のパッシブスキルを追加するものがある。
Cユニットとの違いは…命中率、回避率等のステータスが乗らないのでわかりやすくなった。複数積みもしやすくなり、組み合わせがかなり自由になった。前作までの強力な特性がCユニットの重さで制限されていたのがなくなり、とにかく特性で強化しまくれるようになった。

ネフテク装備

ストーリーの中盤から使えるようになるネフィリム・テクノロジー装備。エンジン・機銃・主砲・S-Eの4種類の素体があり、専用のアイテムを収集して強化していく。単純にレアリティの高い素材を使えば性能が上がっていくのでヤーキントライみたいな要素ではない。
どれか1つ集中的に上げれば2周目でランクが最大になり、まさに人類の最終兵器と相応しい性能になる。ネフテク装備がもっと早く実用化されていれば人類がノアの軍勢に負けることはなかっただろう…。

超改造

いつ解禁されるんだろう…と思い続けてテクノロジーレベルを最大にしたのに解禁されなくて、なぜかと思ったら今作は超改造合金というアイテムを使って直接超改造する感じになっていた。超改造合金のドロップ解禁はおそらく2周目から。
3と2Rは忘れたけど、4の超改造といえばくじびき屋でボタン連打してレアメタルを集めるか、プラチナの塊を細かくちぎって冶金することでレアメタルを集めて超改造するのが最も効率良かったという正直全くおもしろくないコンテンツだった。
今回は単純に敵を倒して超改造合金を集めるのみ。わかりやすいし、こういうのがやりたかった!

リメインズ

所謂ダンジョン、クルマで立ち入りできないので人間戦闘をすることになる。基本的にマップに表示されている宝箱を回収していくだけで、どのダンジョンも同じ見た目なので飽きる。2周目にはとっくに飽きているが宝箱の中身が変わっていて、強力なクルマの設計図などが入ってくるので回収しなければいけない。
リスクとリターンが噛み合っていればもう少し面白かったかもしれないが、テキ避けアイテムの効果が絶大なので使うとほとんど敵が出なくなって本当に歩くだけになるのでリスクどころの話ではなかった。
どうせなら毎回同じじゃなくてランダム生成にするとか、2周目以降は行かなくても問題なくしてほしかった。

BGM

今回も既存曲のアレンジが多め。使い方もMM4ほどではないけど雑な感じがした。
SoNs戦で流れる新曲「鋼の咆哮」は新生「WANTED!」という感じでめっちゃかっこいい。
僕が特に気に入ったのが、ELFIさんがアレンジを担当したという「WANTED!」。これが今まで同人とかでも聴いたことないくらい完成度が高いアレンジになっている。長めのアレンジパートが入っているのだけど、ほぼ原曲そのままの雰囲気でゲームミュージックとして逸脱していない、戦闘中に聴いていて違和感がない上に飽きないアレンジになっている。ぜひゲーム中で聴いてみてほしい。

ハンターモード

1周目ストーリーモードが終わると2周目でハンターモードが選択できるようになる。ハンターモードではストーリーがほぼなく、最初からクルマを突っ走らせるだけでラスボスまでいける。
前作までは2周目以降難易度を変更できるようになったり、賞金首が追加される程度だったが、今作は2周目からドロップアイテムの追加、新しいクルマの設計図の追加などがあり、難易度の変更に合わせたレベルデザインがしっかりされているように感じた。
2周目からが本番というフレーズをよく目にするが、2周目も本番というのが近い気がする。3周目以降も難易度に合わせたクルマの設計図の解禁があり、導線がしっかり引かれている。(都度解禁されるクルマが強すぎるので選択肢を狭めている感じもあるが)

まあこれがとにかく楽しい。追加される難易度と解禁される要素でちょうどいい歯ごたえになっていて、それが4周続くので止め時がない。モンスターを狩って…クルマを強くして…モンスターを狩るんだ!

 

メタルマックス要素を取り除いたとは?

冒頭に書いておいてすっかり忘れるところだった。
今回のメタルマックスは、ケレン味のあるメタルマックス独特の世界観をほぼ捨てて、MM3以降に構築されたシステム的要素を煮詰めたものだと思っている。まさにキャッチコピーの「世界は終わった。戦車が残った。」という訳である。
戦車に乗って戦うというバトルシステムとMM3以降のハクスラ感だけを高密度で体験できるように、あえて「メタルマックス」をカットしている。MM3以降で面白かった部分は、ボスからのレアドロ厳選、キャラクターの上限を超えての育成、クルマの改造、更に強い敵との戦い等…と確信していたからこそ、ゼノを世に出してきたんだと思う。
実際やってみてめちゃくちゃ面白いんだから、まあメタルマックスを作ってる人たちは天才だわ。

そういうわけで「メタルマックスゼノ」100点とは言わないが加点方式だと9000点くらいなのでぜひ遊んでほしい。