ペルソナQ2 ニューシネマラビリンス レビュー

待望のペルソナ最新作RPG!映画世界でP3~P5のキャラ+ハム子が活躍したり地図を書いたりするぞ!
難易度ハードでプレイ、全クエストこなしてクリアに60時間。
ペルソナシリーズは3Pと5だけプレイのにわか。(4はアニメで履修)

ストーリー

第4シアター以降のネタバレは禁止されているのでふわっと。

なんやかんやあって映画世界に迷い込んだP5のメンバーは、いろいろあって歪んだ価値観の映画を正していく…。

1~3シアターはかなりしょうもない内容…というか、映画のテーマがどれも似たり寄ったりでくどい。キャラクターが取る行動や意見については、やつら高校生なんで大目に見てやってほしい。

まあ、僕もストーリーがいつ面白くなるか不安だったんだけど第4シアターからはちゃんと面白くなる。P5ほどの驚きはないが、順当に盛り上がり順当に面白くなる優等生な作り。

ひかりちゃんがかわいい

多少ネタバレに入るかもしれないが、今回の主役はオリジナルキャラクターの「ひかり」で、ペルソナキャラクターについては映画に配役されているようなものだと思った。

初報PVの時には「日高里菜さんかな?」という演技だったんだけど、キャストが発表されてみたら福圓美里さんだった。でも、終盤までいったらこのキャスティングにも納得。

あと、スウェット姿のひかりちゃんが非常にかわいいので確かみてみてくれ。

凝ったクエスト「特別上映」

クエストを受注して目的を達成したら報酬が貰えるとかいう、よくあるやつがこのゲームにもあるんだけど、一味違う。ただアイテムを集めてこいとかモンスターを倒してこいという感じではなく「特別上映」という形でダンジョンに入場し、通路や抜け道が制限された中を探索する。会話イベントも豊富で飽きない。

ひたすら前向きなクロスオーバー要素

そんで、特別上映をクリアすると大体の場合は協力技を覚える。PQの世界ではP3のメンバーも全員前向きで仲が良くて人当たりがいい。別シリーズのキャラクターともすぐに打ち解ける。話が早くていいと思う。ハム子はコミュ力が人の形をしている。

扱いやすい定番ネタを繰り返す傾向はあるが、それでもヨースケのツッコミとかは聞くと安心する。明智は怪盗団に加入している時期なのでテンションが高い。

戦闘

だいたい前作と同じだが、物理属性が1種類になって念動・核熱属性が増えた。ついでに祝福・呪怨もハマムドだけじゃなくてコウハエイハが追加されたので、結果的に弱点を突くのが難しくなってる気がする。

ブースト

敵の弱点を突いたりクリティカルを出すとそのキャラはブースト状態となり、次のターンHPSP消費なしでスキルを使うことができ、最速行動になる。サブペルソナのステータス分のSPが戦闘に入る毎に回復するのもあり、スキルをガンガン使って速攻をキメるのが戦闘の基本。

総攻撃

弱点攻撃やクリティカルで敵はダウン状態となり、行動が最遅になったり行動してこなくなったりする(味方はダウンすると必ず行動不能なのになぜ)。
そして敵全員がダウン状態になると総攻撃のチャンスが発生する。総攻撃は結構なダメージを敵全体に与えるが、ハードだと2回は総攻撃しないと雑魚戦が終わらなかった。

弱点をついて総攻撃を出していくのがこのゲームの基本なんだけど、PTメンバーは5人なのでメインペルソナだけでは当然網羅できない。そこでサブペルソナなども利用して1人2属性以上を担当することになるが、敵の組み合わせによって別々の敵の弱点属性を持ってる人が被った!となりがち。その度にベルベットルーム戻ってスキルを付け替えるのが結構めんどい。特に金色の敵は通常攻撃がほとんど通らず総攻撃で倒すしかないので、弱点を持ってないと撤退を余儀なくされる。

まあ、ぶっちゃけスキル構成が窮屈になりがちなので、後半の敵も弱点2つ以上持っててほしかったな…。

バトンタッチ

PQ2からの新要素はP5でもあったバトンタッチ。今作での効果は「パーティゲージを2消費してブースト状態をPT内の他の仲間に渡す」というもの。マジでか?
P5のバトンタッチはワンモアをその場で味方に渡してスキル効果1.5倍、ペナルティは特に無しという有能なものだったのに、こっちはブースト状態になった次のターンにパーティゲージを2も消費してブースト状態を渡すだけ(キャンセル不可)とかアドが無さすぎる。消費1でも多いくらいだ。
なお、パーティゲージとは戦闘中のナビスキルに使用するもので、2本もあればパーティ全員のHPを回復したりバフをかけたりできる。

追撃・協力技

発生条件はよくわからないけど、弱点ついたりクリティカル出すとたまに発生する気がする。追撃はカスダメを与えて、まだダウンしてない敵1体をダウンさせる。協力技はいろいろな効果があるけど基本的には大きなダメージを与えて敵をダウンさせる。協力技は特別上映をこなして種類が増えると発生しやすくなるらしい。

ペルソナ

PQの世界では全員がメインペルソナとサブペルソナの2つを装備できる。耐性はメインペルソナ依存、主人公勢のペルソナが覚醒すると耐性がすごいことになるんだが大丈夫か?

メインとサブそれぞれ6つ合計12個のスキルを装備することができ、レベルアップで習得する度に入れ替えるか選択していく。パッシブスキルも12枠から選択するので何を残すか非常に悩ましい。バフ・デバフスキルの効果が非常に大きいことも忘れてはいけない。

難易度ハード所感

最序盤が本当に辛かった。映画館からダンジョンに来たばっかりの万全の状態で最初の戦闘の雑魚に負ける。そして金色の雑魚が倒せないのでサブペルソナが増えず、全員に行き渡らない。イベントでサブペルソナが配布されなければ本当にやばかった。

第1シアターのボスも辛かったが、第2シアターは更に辛く、オタカラスポットで耐性アクセサリーを整え、属性耐性アイテムを使い、更に武器についてた状態異常が想定外に入りまくって勝てたという感じだった。

第2シアターで準備がてらレベリングしすぎたせいか、第3シアターから先は特に準備なし初見でボスを倒せた。マハスクカジャ、ランダマイザを獲得してからは初見のFOEも蹴散らしながら進めた。

このことから、PQおよび最近のペルソナ作品の難易度はマハスクカジャ前マハスクカジャ後で分かれると言われている(要出典)。

施設

今回の拠点となる映画館にはいつもの施設が揃っている。

ショップ

テオドアが妙なかぶりもので店番をしている。

モンスターの素材を売ると、それを元に装備品や消耗品がアンロックされていく世界樹形式。商品を買っても素材が消費されず、1度アンロックされればいくつでも買うことができる。必要な素材を落とすモンスターも、その場で調べることができる。

装備品の追加頻度が結構多く、それぞれ基本性能以外に追加効果がついており、性能をとるか追加効果をとるかの選択ができる。

あと、ダンジョン内のオタカラスポットという世界樹における採集ポイントみたいな場所で見つけたアイテムを鑑定して、ランダムな効果のついたアクセサリーを手に入れることもできる。ハクスラ要素かな?と思ったけど「属性回避+HPかSP」や「お金か経験値取得率が増える」等から1つだけと組み合わせが少なく、だいたい出るものが決まってるのでそこまで面白くもなかった。

ベルベットルーム

ペルソナの合体とかをする。ワイルドレベル(PT内で一番高い人のレベル)までのペルソナしか生み出せない。今回から合体元となるペルソナをコピーして手元に残せるようになった。

サブペルソナはブランクカード、メインペルソナはワイルドカードを消費することでイケニエにしたペルソナから特定のスキルを継承することもできる。探索中に足りなくなった属性スキルは主にこれで回収していくのだが、初期レベルでは継承スキルを覚えてなかったり、ペルソナフィルムをスキルでソートできないので探すのが結構めんどくさい。カード自体は余るほど手に入る。

そのほか

地図

マッピングも新しい機能を入れてきている。

よく使うアイコンをセットしておけるカスタマイズスペースができた。スペース自体も好きな場所に置けて使いやすい。

ダンジョン毎に特有のギミック用のアイコンを祐介がデザインしてくれるイベントが差し込まれる。雰囲気作りになっているし、使い所がわかりやすくていい。

あと地味に抜け道アイコン置いた時点でどちらから開通するか視認できるのが良いと思った。

細かい点

アイテムやペルソナ所持数がいっぱいになるとナビボイスで教えてくれるのが良かった。あとペルソナ所持数に関しては拠点に居る時にもいろいろなキャラが教えてくれる。新しい特別上映が発生した時も逐一教えてくれる。

ダンジョン内の行き止まりの多くに会話イベントが設定されていて、地図埋めのモチベーションになる。特別上映もこの会話から発生することが多い。

パーティキャラが豊富だが、加入する順番が固定、かつ最後のP3メンバーが加入するまで30時間弱かかるので、編成自由度がそこまで高いとは言えない。2周目は全員最初から使えたりすればよかったんだが…。

やりこみ要素があまりなく、特別上映を全部こなしたらいつものやつと戦えるくらいで、刈り取るものすら道すがら倒せた。周回引き継ぎがあるが、特に戦う相手もいないのにレベルと装備全引き継ぎされても…という感じ。

BGMの平均点は高いけど前作の「おともだち」のようなキラーチューンはなかった気がする。結局P5の曲が流れたときが一番盛り上がったような。


そんな感じで、前作ほど手放しで神ゲーとは言えないけど手堅い出来になっていたと思う。プラットフォームを移してもシリーズ化していってほしいな。

あと、スタッフロールで流れるイラストが非常に良かったので売ってほしいと思った。